お菓子のレシピによくある「バターを常温に戻しておく」という下準備。うっかり冷蔵庫から出し忘れていると、バターが柔らかくなるまで作業が進められないので何時間もロスしてしまいます。
今回は、今すぐに作り始めたいときにバターをすぐに柔らかくする方法をご紹介します。
なぜ常温に戻す必要があるのかは、こちらの記事をどうぞ。
バターを常温に戻すには何時間必要なのか
裏技のような方法ではなく、バターを自然に常温に戻すには、何時間ぐらいかかるのでしょうか?
バターは通常冷蔵庫に保存しているので、取り出した後もしばらくは固いままです。作るお菓子の種類やレシピにもよりますが、だいたい泡立て器で混ぜてクリーム状になるぐらいの柔らかさにする必要があります。
塊のままのバターを指で触って、少しへこむぐらいが目安です。
柔らかすぎると、扱いは楽になりますが、おいしいお菓子作りには不向きです。溶けているバターではサクサクの食感から遠ざかった出来になるので『溶けてはいないけれど柔らかい』を目指します。
そんな状態のバターにするには、室温で何時間か放置しておく必要がありますが、この放置時間は室温によって変化します。
当たり前のことですが、夏場ならば室温も高いので短い時間で済みますし、冬場ならば夏の倍の時間がかかることも。保存していた冷蔵庫の温度やバターの量(大きさ)にもよるので、一概に何時間とは言い切れません。
これは一つの目安ですが、室温の高い夏場なら30分〜1時間ほどで柔らかくなります。
冬場は室温がどうしても低くなりがちです。20度を下回るようなら室温に長時間放置しておいてもなかなか柔らかくなりません。ストーブの近くなど、部屋の中でも暖かい場所に置いて様子をみてください。(あまりストーブに近すぎると溶けてしまうのでほどほどに)
常温にするのに長時間かかる冬場は、室内に一晩出しておくのも一つの方法です。ただしこの方法では、気をつけなければならないのが室内の温度です。夜の間に部屋の中が冷えるようなら、冷蔵庫に入れているのと同じ状態。10〜15度ぐらいの室温ならあまり柔らかくならないので、冷蔵庫よりも多少はマシというぐらいの気持ちで。
すぐにバターを常温に戻す方法
いますぐ作り始めたいときには、すぐにバターを常温に戻す必要があります。いくつか方法があるのでご紹介します。
電子レンジを使う方法
電子レンジを使うのが一番早くバターを柔らかくする方法です。
できるだけ低いワット数で、5〜10秒ぐらい加熱します。一度取り出し、泡立て器などで混ぜた後、まだ固い場合はさらに5〜10秒ぐらい加熱します。これをバターが柔らかくなるまで何回か繰り返します。
必ず低いワット数で行ってください。バターが溶けるのは一瞬のことなので、決して目を離さないように。まだちょっと固いかな、と思うぐらいがベストです。混ぜているうちに柔らかくなります。
湯煎をする方法
電子レンジよりは時間がかかりますが、一瞬で失敗することはありません。
温かいお湯の上にバターを入れたボウルを乗せます。お湯に当たっているボウルの底から温まっていくので、ムラができないように様子を見ながら何度か混ぜます。底に触れているバターが溶けやすいので気をつける必要があります。
同じような方法で、ボウルをコンロで直火に当てる、ストーブの上に置いておく、などもあります。どれも原理・注意点は同じです。
ドライヤーを使う方法
ドライヤーの温風を当てて柔らかくする方法です。時間は少しかかりますが、様子を見ながら調整できるので失敗は少ないです。
バターはできるだけ薄く切って並べ、ラップをした上からドライヤーの温風を当てます。バター全体に風を当てながら柔らかくなるまで続けます。
手揉みする方法
手で揉みながら柔らかくする方法です。失敗はしませんが、少し時間がかかります。ちょっと柔らかさが足りないときに追加で行う方法としても。
ビニール袋やジップロックなどにバターを入れるか、ラップでしっかり包み、手で揉みます。冷蔵庫から取り出したばかりだと固いですが、少しずつ手の温度で柔らかくなります。溶ける心配もなく、触りながらなので固さも確認しながらできる方法です。
ただし時間はかかりますし、手が冷たい場合はなかなか柔らかくならないのが難点。
オーブンの発酵機能を使う・こたつに入れる
パン作り用の発酵機能を使う方法です。
発酵に必要な温度が30〜40度くらいなので、オーブン内を真夏のように暑い状態にして柔らかくします。
冬場はこたつに入れる方法もあります。発酵機能を使うのと同じ感覚ですね。
数分おきにバターを混ぜながら様子を見ます。自然放置よりも短時間で済みますし、一瞬のうちに溶けてしまう心配はないので失敗確率は低いですが、うっかり忘れてしまわないように注意!
バターをできるだけ早く『自然に』常温に戻す方法
上記の方法は素早くバターを常温に戻すのに便利な方法ですが、やはりデメリットもあります。
時間をかけて常温でバターを柔らかくする方法に比べ、短時間で行うとどうしてもムラができてしまいます。
溶けかかっている部分とまだちょっと固い部分とに分かれてしまうと、他の材料と混ぜたときに上手に混ざらないので出来上がりにも差が出てきます。
おいしいお菓子を作るためにも、できれば『自然に』常温に戻す方法をとってください。常温に放置でも、できるだけ早く柔らかくするための工夫があります。
このたった3つの方法ですが、するのとしないのとでは時間の差が大きいです。
そして最後に。
どの方法でも気をつけていただきたいのが、バターの乾燥対策です。バターが乾いてしまわないように、他にもホコリなどから守るためにも、必ずラップなどで覆ってから柔らかくしてくださいね。
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