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有精卵を選ぶメリットは? 無精卵と有精卵の違い

食材・調味料

身近な食材のひとつ、鶏卵。色々な種類の料理やお菓子に使われる食材で、どのスーパーでも売られています。

卵には『無精卵』と『有精卵』の2種類がありますが、どんな違いがあるのかご存知ですか?

今回は、無精卵と有精卵の違いについて解説します。

無精卵とは

無精卵とは、文字通り『受精していない卵』のことです。

受精していないわけですから、無精卵は温めてもひよこが産まれることはありません。

スーパーで普通に売られている一般的な卵は、無精卵です。

有精卵とは

有精卵とは、文字通り『受精している卵』です。

有精卵は受精しているので、ひよこが産まれる可能性があります。

受精させるために、雌鶏と雄鶏を同じ環境で育てて交尾させる必要があります。

日本養鶏協会では、有精卵の表示基準をこのように定めています。

成雌鶏100羽に対して、成雄鶏5羽以上の割合で混飼し、自然交配で受精可能な飼育環境であることが確認された場合に限り、表示することができます。

鶏卵の表示で留意するポイント 卵公正取引協議会

有精卵が本当に受精しているとは限らない

日本養鶏協会では、鶏卵の表示で留意するポイントとしてこのように書いています。

雄鶏の割合を明記して、有精卵ではない鶏卵が含まれている可能性があること(または有精卵となる確率)を付記しなければなりません。

鶏卵の表示で留意するポイント 卵公正取引協議会

有精卵と表示されて売られている卵も、実は無精卵という可能性もなくはありません。

無精卵と有精卵を判別する確実な方法がないので、有精卵と表示可能な環境下(雌100羽に対して雄5羽以上で混飼し、自然交配可能な飼育環境である平飼い)で育てられた雌鶏が産んだ卵は、全て有精卵として出荷されます。

交尾していないのに、なぜ卵を産むの?

長年の品種改良により、採卵鶏は交尾させなくても毎日のように卵を産むようになりました。そのため、ひよこが産まれる可能性のない無精卵が採れるようになりました。

受精していないのに卵が産まれることに疑問を持つかもしれませんが、雌鶏にとって卵を産むことは、人間にとっての排卵のようなものです。

品種改良された雌鶏は、雄鶏がいなくても毎日卵を産んでくれます。

無精卵と有精卵の違い① 育て方の違い

有精卵を産ませるためには、交尾をさせる必要があります。

そのためには先述の引用のように、雌鶏と雄鶏を同じ環境で交尾ができるように飼育しなければなりません。平飼いと呼ばれる方法で飼育する必要があるので、鶏が自由に動き回れるだけの場所を用意し、そこで雌鶏と雄鶏を放し飼いにします。

無精卵を産む雌鶏の場合は雄鶏が必要ないので、雌鶏のみを飼育します。雄鶏の分の場所も餌も必要ないため、コストも少なく済みます。

日本では100%ではありませんが、無精卵を産む採卵鶏はケージで飼育されていることがほとんどです。

有精卵を産む鶏は平飼い、無精卵を産む鶏はケージ飼い。

基本的にはこのような育て方になります。

狭いケージにずらりと並べられて飼育されている無精卵を産む鶏と、広々とした場所で自由に動き回れるように放し飼いにされている有精卵を産む鶏。

近年では、鶏のケージ飼いは動物福祉に反するという考えも多くなってきており、平飼いへと移行する考えも出始めていますが、まだまだ普及はしていません。

欧米では、動物福祉や環境保護などの観点から、ケージに閉じ込めるこの飼育法に規制が行われている国もあります。

この考えが広がれば『平飼い=有精卵』という考えはなくなるかもしれませんが、現在はまだ『ケージ飼い=無精卵、平飼い=有精卵』が一般的です。

無精卵と有精卵の違い② 価格が違う

育て方が違うため、コストももちろん違ってきます。

無精卵は価格が安く、有精卵は無精卵よりも価格が高いです。

安価に大量生産できる無精卵に比べ、有精卵はコストがかかるので、価格も高くなります。

また、生産者が少ないこともあり、いつでもどこでも買える訳ではなく、販売されている店舗も限られています。

無精卵と有精卵の違い③ 見た目の違い、見分け方

ひよこになるかならないかの大きな違いがあるので、卵の見た目も違うと思うでしょうか。

無精卵と有精卵は、見た目に大きな違いはありません。

殻のままでは見分けることができません。
見分けるには、胚盤の大きさで比べます。

胚盤とは、黄身の上にあるとても小さな輪のようなものです。小さな白い点のようでもあります。

この白い輪が、有精卵だと直径3mm程度の大きさであるので、無精卵のものよりもはっきりと見ることができます。これが無精卵と有精卵を見分ける方法です。

誰にでも間違えずに見分けられるような大きな違いはありません。

この方法以外にも、卵を温めて孵化作業を行なっている過程で、光にあてて中を透かせて血管が見えるかどうかで判断もできますが、その段階までいくと食べることはできないので、買ってきた食用の卵がどちらなのかを判別する方法には使えません。

無精卵と有精卵の違い④ 味と栄養

たくさん流通していない希少な有精卵。さぞおいしく栄養があるのだろう、と思うかもしれませんが、残念ながら……。

無精卵と有精卵では味の違いはありません。

栄養面でも、大きな差はありません。

無精卵と有精卵とでは成分が明確に異なるわけではない、ということです。

受精したかしていないかよりも、餌や水などの影響の方が味や栄養面に大きな変化があるようです。

無精卵と有精卵の違い まとめ

  • 受精している卵が有精卵
  • 受精していない卵が無精卵
  • 一般的に売られている卵は無精卵
  • 無精卵用の鶏は、ほぼケージ飼い
  • 有精卵用の鶏は、平飼い
  • 価格は、無精卵が安く、有精卵が高い
  • 見た目に分かりやすい違いはない
  • 味の違いはない
  • 栄養の違いはない
  • 確率は低いけれども、有精卵として売られているものが無精卵のこともある

無精卵と有精卵は、鶏の育て方や価格の違いはあれど、味や栄養面での違いはありません

体に良さそうだからなんとなく、と有精卵を選ぶ意味はありませんが、狭いケージの中ではなく、広い場所で放し飼いされている鶏が産んだ卵を食べたければ、有精卵を選ぶ価値もあるのかもしれませんね。

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