じゃがいもの芽に毒があることは、よく知られた事実だと思います。けれどどのくらい食べたら危険か、どれくらい芽を取り除けばいいのか、正確に把握していますか?
じゃがいもには、芽の部分以外にも危険な部分があります。
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じゃがいもの危険性(毒)はどこにあるのか
じゃがいもの危険な部分というと、真っ先に「芽」が思い浮かぶのではないでしょうか。
それも正解ですが、「皮」にも毒が含まれていることがあります。
古くなったじゃがいもや、暖かいところに置いておいたジャガイモからは、芽が出てきます。
芽の部分には毒があるので食べてはいけません。
また、それ以外に気をつけるべきなのが「皮」の部分。
じゃがいもは皮付きの料理もありますので、必ずしも食べてはいけないわけではありませんが、皮の色を注意してチェックしてください
じゃがいもは太陽の光に当たりすぎると、緑色になります。
皮が緑色になっている場合、そこには毒があるので食べてはいけません。
全体が緑になっている場合や、一部分だけ緑っぽくなっている場合もあります。どちらの場合も、緑の部分には毒素が多く含まれているので食べることができません。
けれど、緑ではない通常の色の皮にも微量ですが毒が含まれています。もちろん、緑の時よりは少ない量ですが、子供がたくさん食べるのは危険な場合も。
大量に食べる場合や、小さいお子さんが食べるじゃがいもは、しっかりと皮をむくのをお勧めします。
またそれ以外にも、じゃがいもについた傷にも毒がある場合もあるので、痛んでいたり傷が付いているところは食べないほうがいいです。
どのくらい食べたら危険があるの?どんな症状が出る?
じゃがいもの芽・緑になった皮には、ソラニンやチャコニン(カコニン)と呼ばれる天然毒素が含まれています。
ではこれらの中毒量(症状が出る量)はどのくらいでしょうか。
大人の場合は200~400mg、子供の場合は15.6~40mgが中毒発症量とされています。
ジャガイモによる食中毒について – 岡山県ホームページ(環境保健センター)
ソラニン類を大人が200mg~400mg摂取すると発症するとされていますが、子供の場合は、過去の事例から、 それより少量(大人の1/10程度)で発症すると考えられています。
児童が栽培したジャガイモで食中毒(ソラニン solanine)
子供は大人より少量でも中毒になってしまうので、より注意が必要です。
実際に毒素の含まれたじゃがいもを食べてしまった場合、次のような症状が出ることがあります。
原因のじゃがいもを食べてから、20分〜1時間ほどで症状が出ます。このような症状になった場合には、早急に病院に行きましょう。
じゃがいもの芽や緑の皮はどうやって取るの?
毒の含まれている芽や皮はしっかり取り除かないと危険です。
じゃがいもの芽が出ている場合、根元からしっかりと芽を取り除きます。芽だけではなく、まわりの部分も少し取り除いたほうが安全です。
皮が緑色になっている場合、皮を通常よりも少し厚めにむきます。緑色の部分を完全に取り除き、まわりも少しだけ多めに取ります。
皮は緑色ではなくとも、できるだけむいたほうが安全です。
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加熱したら毒は消える?
じゃがいもの毒で気になるのが、加熱によって消えるかどうかです。
残念ながら、じゃがいもを茹でたり煮たりしても、毒は分解されません。
揚げたり焼いたりする場合、多少分解されると報告がありますが、確実に減ったり完全になくなることは期待できないそうです。
そのため、じゃがいもの毒素であるソラニンやチャコニンを食べないようにするには、原因となっている芽や皮を取り除く方法しかありません。
煮たり焼いたりするから大丈夫だと過信せず、しっかりとその毒自体を取り除きましょう。
家庭菜園や学校で育てたじゃがいもは市販物よりも危険
じゃがいもは家庭菜園にも適した野菜で、幼稚園や保育園、小学校などでも育てたりしますよね。けれどもそうしたじゃがいもは、お店で売られている農家が作ったじゃがいもよりも危険が潜んでいたりします。
実際に、学校で育てたじゃがいもによる食中毒は毎年全国各地で起こっており、ニュースでも報じられています。
また、東京都健康安全研究センターの記事では、このように書かれています。
1998年から昨年までの8年間に、児童たちが栽培したジャガイモによる食中毒は全国の小学校で8件、 幼稚園で1件起きています。なお、この期間に市販のジャガイモによる食中毒は報告されていません。
児童が栽培したジャガイモで食中毒(ソラニン solanine)
このことからも、市販のじゃがいもでは起きない食中毒が、学校などでは度々起きているのがわかります。
ではなぜ家庭菜園や学校で育てたじゃがいもが危険なのでしょうか。
それは以下の通りです。
上記に当てはまる場合は、食中毒の危険があります。全国の小学校や幼稚園が全てこれらに当てはまっているわけではありませんが、食中毒で苦しむ子供が毎年のようにいるのも事実です。
栽培時や収穫時に、これらのことを気をつけましょう。詳しい栽培方法や収穫時の注意など、農林水産省の作成したリーフレットを参考にしてみるのもいいと思います。